東北6県の産地と系統の解説
こけしは東北に生まれ東北に育まれました。
東北の6県が主な産地となり、10系統に分かれています。産地と系統別で各特徴の解説をします。
青森(津軽系)
胴模様にねぶた柄と呼ばれる達磨絵や、縄文土器に似たアイヌ模様が描かれる。作り方が基本的。
岩手(南部系)
代表的なものには彩色がないのが特徴。「キナキナ」と呼ばれるおしゃぶりがこけしに発展したと言われ、頭がゆるいはめ込み式になっている。
秋田(木地山系)
らっきょう型の頭。同派どっしり太く縦縞の着物で梅やかすりに前垂れをつけた独特の模様が描かれる。作り付けが基本。
宮城(鳴子系)
どっしりとした安定感のある胴体。
首を回すとキュッキュッと音がするはめ込み式。
前髪を水引きで結んだような髪型が特徴。宮城(弥治郎系)
頭が大きく、ベレー帽のような多色のロクロ線が特徴。胴体部はくびれがあり、女性的な体つきで、ロクロ線、襟や袖の模様、花などとカラフルなものが多い。
宮城(遠刈田系)
頭が大きくて、なで肩の細い直胴。
頭頂部には「手柄(てがら)」と呼ばれる放射状の模様が描かれる。山形(蔵王系)
方が丸く、全体的に重要なつくり。
山形(肘折系)
胴はふとく直胴、肩が張っていて段がある。
にんまりした表情が特徴で、胴模様に重ね菊、立ち菊、石竹など植物が描かれることが多い。宮城(作並系)
頭が小さく、胴は細く長い。
こけしのもっとも古い産地とも言われ、おもちゃだったころの名残が感じられる。
「カニ菊」という菊花模様も特徴。福嶋(土湯系)
頭が小さく細い体つき。
頭頂部に「蛇の目」という黒い輪、前髪の両脇に「かせ」と呼ばれる赤い髪飾りが描かれる。